<町上さんの場合 その2>

実直な町上さんは、
井上建築士の指摘に青ざめた。
外壁のでこぼこが気になったが、
よくみれば亀裂も多数あった。

おまかせ建設会社に何度も言ってようやく
修繕してくれたが、
亀裂の上に塗装をしただけだったので、
すぐに亀裂が再発した。
亀裂 

井上建築士は
「一年目の建物に
 このような傷みが見られること自体がおかしい。」
「まずは、瑕疵担保の保証書や竣工図と
 照らし合わせていきましょう。」
と的確にこれからの行動の指針を、
町上さんに話をした。

ところがだ。
おまかせ建設会社は、町上さんに
引き渡しの時に渡さないといけなかった
「瑕疵担保保証書」も「竣工図」も
渡していないことが発覚した。

建築に詳しい方なら、
「なぜもらわなかったのか?」
と疑問に思われることでしょうが,
これも、私のケースと同じです。

おまかせ建設会社は
必要書類を施主に渡さない会社であることが、ここでも発覚。

とりあえず、町上さんの場合は
建って一年たっているので、
「図面を渡すように」
と申し入れたら
私とは違い、書類は届いたようだ。

手広く建設を手がけている会社なのに
竣工図をまともに作ったこともないのか
現況と仕様が違う箇所がたくさんある図面を送ってきた。

それを指摘すると
「え?間違えてました?そうですか。」
と、図面を訂正して
「これで現況通りですね。」
と平然としていたらしい。

図面通りに作るのが契約のはず。
図面を訂正してすむものではないだろうに。

ただ、竣工図と現況があまりにも違うので
さすがにおまかせ建設会社もせっつかれてしかたなく
複数の下請けを入れて、
現況を確認に来たが
結局、どれが正しいのやら、
どの部分のことなのかですら
下請けが把握できなかったので
未だに正確な竣工図はできていない
というありさまである。


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