私(施主P)とおまかせ建設会社は、
現在お互いが訴え合っていて
そのため、2つの裁判が同時進行しております。

私→おまかせ建設会社
の裁判は、昨年判決が下り
とうてい納得できるものではなかったので
私は控訴しました。
(納得のいかない「事実及び理由」判決理由は、
失敗ブログ100~109で細かく記事にしています。)
(控訴の内容は、失敗ブログ127~137 に書いています)

そのおまかせ建設会社代理人、田中弁護士は
控訴理由書と
私の控訴理由書に対する答弁書を出してきました。

それを今分割して記事にしています。


<おまかせ建設会社の控訴書類>その4

★原判決に対する認否★

もうややこしすぎて訳がわからないと思いますので
細かく書かれているのは、小さく表示して
要約を青字にします。


2.  公法上の義務との関係

 原判決は、公法上の義務に関わる書類の引き渡しについて、
 工事完成後に行われるべきである代金の完済と
 同時履行の関係にあると考えるのは不合理であると判断する。

 しかし、公法上の義務は、
 契約の内容となるものではない。
 契約当事者が契約を締結する動機になるだけである。

 本件建物確認申請書副本、本件建物確認済証、
 本件建物中間検査合格証は、
 公法上の義務を動機に、
 おまかせ建設会社と施主P(私)が
 双務契約であるところの準委任契約を締結したことの成果物である。

 そのような成果物の引き渡しは、
 原判決が認める本件請負契約に基づくものであり、
 おまかせ建設会社が主張する本件請負契約に伴って締結された
 準委任契約に基づくものであれ、
 双務契約に基づく成果物なのであるから、
 成果物の引き渡しにつき先履行の特約が存在しない限り、
 他方当事者による義務の履行と同時履行の関係に立っている。

 (要するに、残金を支払うことと
  書類を渡すことは、同時にするものであるので  
  私が、残金(しかも追加料金まで足された金額)を  
  払わないと、私に書類を渡さないと言いたいようです)

3 保全手段の存在

 原判決は、おまかせ建設会社が、
 商事留置権に基づき
 代金債権を保全することができることを理由に
 同時履行の抗弁権が認められないとしても問題がないと示した。

 しかし、同時履行の抗弁権は、
 他の保全手段があるかどうかは関係なく、
 双務契約における債権の保全手段として認められているので
 商事留置権があるからという言い訳で、同時履行の抗弁権を否定できない。

 なお商事留置権は、不確定性をもつので
 それゆえに行使を躊躇することもあるという実務上の問題が存在するために、
 建築現場においては
 いつも機能するわけではないことを念のために指摘する。

 建物建築代金を保全するにあたり、
 商事留置権を行使することにつき、
 最高裁の判例をみると、
 1.不動産が商事留置権の対象となること、
 2.敷地に対して留置権が及ばないことが
   確定的に判示されている
 だけであり、
 対象建物に商事留置権を行使した場合の
 敷地との関係については判断が示されていない。

 建物に対して商事留置権を行使した場合の
 敷地との関係については、
 敷地の占有であるとは認めない裁判例も
 敷地の占有であることを認める裁判例も
 一定数存在するため、
 建物に対して商事留置権を行使した場合に、
 当該占有が資料相当損害金発生の原因となるのかどうか
 明確に判示されたものがない。

 すなわち、建物に対する商事留置権の効力が
 敷地に及ばないという判例を前提に、
 建物に対する商事留置権の行使が
 底地の占有にあたり、
 資料相当損害金発生の原因となると解された場合、
 建物に対して商事留置権を行使した者は、
 底地の所有者(建物の注文者)に対して
 資料相当損害金の支払い義務を負担することになり、
 少なくとも、商事留置権の行使につき
 確たる判断が示されていない現状においては、
 底地の所有者(建物注文者)から
 賃料相当損害金の支払いを求める訴訟を提訴され、
 商事留置権を行使したものが応訴の負担を強いられる可能性が多分にある。

 この結果、請負人は、
 「請負建設請負代金を保全する手段として
 商事留置権が存在する」ことを知りながら、
 その行使を躊躇しているだけなので
 このようなリスクを伴う権利の存在をもって、
 おまかせ建設会社から同時履行の抗弁を奪うことの理由とはなり得ない。

 仮に、おまかせ建設会社の小胆(気が小さいこと)が理由にならないとしても、
 施主P(私)は、本件土地、
 及び本件建物を排他的に支配している本件については、
 おまかせ建設会社が商事留置権を行使する余地はなく、
 商事留置権の存在によって
 同時履行の抗弁権が否定される事はない。

 以上により、本件においておまかせ建設会社の
 同時履行の抗弁権を奪う根拠とはなり得ない。


※商事留置権は、特別な手続を経ることなく占有していれば認められる権利です。
おまかせ建設会社は、私が残りの代金と追加料金を払わないので
商事留置権が行使することもできるのだと、言いたいようです。


<用語解説>

商事留置権
 ①両当事者が法人や事業者などの商人で、
 ②両当事者の事業から生ずるなど商行為により生じた債権が存在し、
 ③弁済期が到来しているときには、債権者は、
 ④契約による保管など商行為により自己の占有開始をした、
 ⑤債務者所有の物又は有価証券を留置することができる権利
 のこと。
ちなみに個人顧客との取引で
 代金を回収できない場合には商事留置権は成立しない。


 商事留置権を行使して動産の返還を拒否した場合、
 取引先がその動産をどうしても必要である場合には、
 支払いと引換えに動産を返還するという交渉が可能。



商事留置権は、非常に強力な権利です。
しかし、今までの判例では、
建物のような不動産に商事留置権を認めないと判断した裁判例が存在します。



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