前回までのあらすじ

建築予定地を決定し
賃貸マンションを建てるためのコンサルタント契約を
土地物件を紹介してくれた松本さんと結んだ。


松本さんと結んだコンサルタント契約は
以下のような内容だった。

★土地の取得の取り計らいをする。
★土地活用のプランニングを立てる。
★周辺市場環境調査をする。
★収支概算書の作成
★よりよい金融機関の選定と融資申込
★建築物の基本計画及びデザイン作成。
★設計、施工建築会社の選定
★建築物の建築確認の見届け
★建築物工事の見届け
★家賃の策定及び入居募集窓口の選定
★賃貸経営管理及びアドバイス

このもりだくさんの内容を松本さんは請け負ってくれた。

コンサルタント費用の支出は痛かったが、
同時に賃貸マンション建築への航路が
具体的に決まってきたので
私は大きな金額の投資への不安もあったが、
同時にすごくわくわくしていた。

今まで脳内にしかなかった不動産経営への道が
はっきりしてきたことはとても嬉しかった。


　このことは悔やんでも悔やみきれない！

土地契約は
松本さんの紹介でA仲介会社を通して行われた。
土地代は４０００万円かかった。
全額自己資金で用意したので
コンサルタント料と合わせて、相当な出費となった。

それでも、私は土地を手に入れたことで
最初の大きなハードルを越えたと思った。




そのあと、松本さんから土地活用のプランニング、
銀行融資などの話があり、
収支概算表などの資料ももらい、
松本さんによるサポートは順調に進んでいた。


※あとから分かったのだが、
   この収支概算表もずさんな内容であった、
　一般的には30年分の収支を計算した表にするのだが、
　この時点で渡されたものはA3一枚に、ザックリとした
　収益率や利回りが計算されたものであった。

　松本さんはセミナーで
    市場調査や収益概算表など事前の調査で
　A3で30～50枚にも上る資料を
　物件毎に作ると言っていたが、
　私がもらったものは、
    A3の資料2~3枚程度であった。
　聞いていた話と資料の内容がすごく違うと思いながら、
   「今は忙しくてできないのだろうが
　また進んでいったらくれるだろう」と思い
　サポートを続けてもらった。



そして、土地を得たことで、
設計や工事を頼む建築会社を選定する段階となった。

松本さんからは、
「おまかせ建設会社」
を薦められた。


どんな会社だろうと、ホームページで調べてみて
私は、目をみはった。



そのホームページは大変凝ったもので、
正直、アクセスしてくれたお客様が、
瞬時にサイト内容を把握できないくらいの
多大な情報量がもりこまれていた。

施工例、成功実例が多数載せられていて、
この会社で家やマンションを建てた施主の感想、
アフターサービスが充実していることのアピールはすごかった。

スタッフの紹介、社長ブログなども載せられていて、
この会社の誠実ぶり、
50年以上続く老舗業者であること、
実直ぶりがたたえられているし、
賃貸経営ではどのように優良資産を作ればいいのかなどのノウハウ
なども書かれていて、
読むだけで車酔いしたような脱力感を感じる迫力だった。

世間の情報に疎い私でも
こんなホームページを作成してアピールしている会社は
信用していいのではないかと思った。

松本さんは、そんな私の反応から、
「『おまかせ建設会社』は関西でもトップの建築技術があり、
革新的なコストダウンを行っており、
トヨタ形式で釘の一本に至るまで管理されている。
会社も老舗で、キャッシュもかなり持っているから、
工事途中で建設会社が飛ぶこともない。
税務署からも優良企業として表彰され、大変信頼できる会社である。」
と強く推薦してきて、
「おまかせ建設会社」との顔合わせをセッティングしてきた。

それで、駅前のデパートの喫茶店で
私、母、妻、松本さんと、「おまかせ建設会社」の営業部長が
初顔合わせをした。

事実上、相談や、商談という段階を越えた
「仮契約」を前提とした初顔合わせであった。
仮契約なんて、全く考えていなかったのに。


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