これまでの話

賃貸マンションを建築することになって
師のように思い、家族ぐるみの付き合いであった
不動産コンサルタントの松本の指示のもと、
建設会社を
「おまかせ建設会社」に、
融資を「地域センター信用金庫」に頼むことにして
正式に工事契約を締結した。


私の賃貸マンションは、
予定通り、2018年7月下旬に工事着工した。
私は、当然、工事に入る前に
「地鎮祭」を行うと思っていた。

マンションで行う地鎮祭に関しては、
やるべきかどうかの明確な基準はないとは聞いていた。
それでも上棟式や竣工式に比べると、
地鎮祭を行う業者の割合は高いらしい。

そもそも「地鎮祭」とは、
着工工事の前に土地の神(氏神)様に対して
これから工事を行う許しを得て、
安全を祈願するものである。

規模によってやり方は多少異なるが、
基本的には土地の四方に青竹を立て、
そこをしめ縄で囲って祭場とし、
神主をはじめ建設業者や施主など関係者が集まって行うものだ。

私は信心深い方ではないかもしれないが
何かあってから
『あのとき、やらなかったから……』
では遅いと感じていた。

しかし、地鎮祭の費用は諸経費に入り、
それを行うか決定するのは建築業者である。

だから私の思惑と違っても
「おまかせ建設会社では、地鎮祭を基本的にやっていない。
少しでも建築代金を下げる為である。」
と松本が言ったので、それを受け容れてしまった。

今思えば、おまかせ建設会社は
地鎮祭の段取りも面倒くさかったのではないかとしか思えない。


施主にしてみれば、
これから始まる大工事に対して
竣工まで安全に工事が進みますようにと
お願いする、神聖な行事だ。

子どもの宮参り、七五三などと同じく
特に信仰心が厚くなくても
(それではいけないのかもしれないけれど)
世間では、よく行われている行事。

地鎮祭は「建築を始めます」という最初の行事だ。

その後、業者が集まる機会でもあるので
業者と一緒に
「工事の間、お騒がせします。」
という近所挨拶に回ることも多い。

それを飛ばしたから
こういうことになったのかと
原因をそこにも求めてしまう自分もいる。


地鎮祭


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